あけましておめでとうございます。
南部美人の五代目蔵元の久慈浩介です。 私のブログの当番となりました。 御存じの方も多いかもしれませんが、和醸和楽の蔵元メンバーはお酒の輸出に積極的な蔵も多く、また、和醸和楽の方針の中にも世界にお酒を伝えていく、という理念もありますので、今回は世界中でどれだけ高品質な日本酒が待たれているかお話ししたいと思います。 新聞やテレビのニュースでは世界同時不況の話題と、それに伴い、海外で利益を上げ続けてきたトヨタなどの大手車メーカーの営業損益赤字のニュースが飛び交っており、それと同時にアメリカではビック3と呼ばれる車のメーカーへ公的資金の導入などが話題となっています。 確かに、車はアメリカではローンの審査が厳格化されたため、買いにくくなっていることと、消費の冷え込みももちろんあります。 実際に、私の蔵でも2008年10月までの輸出の大きな流れと、それ以降では、やはり少しゆっくりしてるな、というのが実感ですが、それほど大きなダメージは受けておりません。 不況になれば1番最初に娯楽や飲食にかかる費用が削られるのですが、それまで週に3回外食していた人が2回に減らす場合、どうしても行きたいと思えるレストランは減らしません。その中の1つに和食の良い店が入るのは間違いありません。 よって、海外でもレストランは和食ならどこでもよかったものが、選別され、本当に良いお店の身がこれから生き残っていくということです。 そういったお店はやはり良い料理と良いサービス、良いお酒を出す店なのです。 こういった不況の中でも世界中で和食レストランが増え続けているのも事実です。 しっかりと状況を見極めて頑張っていかなければいけません。 さて、そんな世界の和食レストランで、今1番必要とされているのが、フレンチレストランのソムリエのような存在、酒ソムリエです。 なぜ日本食レストランでソムリエが必要か、日本ではほとんどそんなことは必要と思われませんが、海外では今後非常に重要な職業となってきます。 日本では日本食は当たり前で、メニューを見れば大体のお酒のイメージがつかめます、たとえば出身の県で判断してみたり、有名な産地で判断してみたり、特に有名な蔵元のお酒を飲んでみたり、情報がありますので、判断しやすいのです。 ところが海外だと、アメリカ人やイギリス人など現地に住む方々は、日本酒の情報がほとんどありません。だけど日本食を食べるのだから日本酒を飲みたい、ということになります。 そうなったときに、選ぶアドバイスをしっかりと出来る酒ソムリエがお店にいるのといないのでは売り上げが大きく変わります。 実際に、ロンドンのcocoonというファインジャパニーズレストランでは日本人の酒ソムリエが入社する前と後では日本酒の消費が100倍以上違いました。 また逆にニューヨークの酒蔵という日本酒を200種類以上扱う有名なレストランではトップ酒ソムリエが独立して辞めてしまったら、どうしても日本酒の売り上げが減少しました。 ちょっと考えてみればわかりますが、私たちがあまりワインに詳しくなく、それでも良い本格的なフレンチを食べにいった時、ソムリエがいなくてワインを自分ですべて選べる人が何人いるでyそうか?ビストロのような軽いお店でしたら大丈夫かもしれませんが、ある程度の高級店となるとかなり難しいですよね。 アメリカなどのチップの国では特にこの現象は大きく、アメリカ人でも酒に詳しく、しっかりとお酒を説明して提供できるスタッフはチップをたくさんもらえます。 よって、彼らは自らお金をかけてでも日本酒の勉強会があれば参加しますし、実際に日本酒輸出協会のジョンゴントナーが定例で行っているアメリカでの勉強会にはすごい数のアメリカ人酒ソムリエ候補者が集まります。 和醸和楽も昨年から日本で酒アカデミーを本格的に開催しました。実際にアメリカでは酒ソムリエのスクールを立ち上げようという動きもあり、このような世界的に酒ソムリエを育てていかなければいけない現在、和醸和楽が酒アカデミーを日本でやる意義も非常に大きく、さらに発展させて世界で酒アカデミーをしていかなければいけない時代がすぐそこまで来ています。 私たちの運動は、まさに世界の日本酒を飲みたい、おいしい日本酒を知りたい、という気持ちを現実にさせるためのもので、世界へ日本酒が羽ばたくためには必ず必要な運動です。 もちろん酒アカデミーは日本で成功しなければその次の世界へは進めません。しっかりと日本国内での酒アカデミーの成功をこれからも積極的に進めていきたいと思います。 日本酒が好きな日本在住の日本人が、近い将来、ニューヨークやロンドンに行き、アメリカ人やイギリス人の前で「俺、日本酒についてかなり知っているよ。」「○○の蔵元と仲がいいよ。」「俺、酒ソムリエの免許持っているよ。」という会話ができ、それに対してアメリカ人やイギリス人が尊敬のまなざしを向ける日が来ることを信じています。 「日本酒が好きだ」と世界中で大きな声で叫べて、それが評価される時代が来るように頑張りたいと思います。 世界は日本酒を待っています!!
by wajowaraku
| 2009-01-10 06:10
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