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SAKEアカデミー
by wajowaraku
小さな酒蔵、夏の午後。
すこし更新期間が空いてしまいましたね、すいません。
和醸和楽の最南端メンバー、高知県の「土佐しらぎく」 仙頭です。

いきなりですが、ブログの更新って大変ですよねー。
ウェブログが普及し始めた頃は、「あんなものは個人の日記帳みたいなもんだろ、
携帯からもできるし、お気楽極楽。」などと友人にほざいていた自分が恥ずかしい・・・。

不特定多数の閲覧を前提に文章を構成することの難しさを今、痛感しております。
全国津々浦々のブロガーのみなさん、これからも日々更新頑張ってください!!



さて、この季節になると私たち酒造りの人間はよく言われる台詞があります。
曰く、「仕事は落ち着きました(楽になりました)?」的なことです。
もっと直球勝負の方だと、「ズバリ、暇でしょう?」「今、何やっているんですか?」


・・・いやぁ、確かに造りの最盛期よりは暇?ですよ、夜も寝れますし。
でもちょこまかといろいろあるんですよー、ホントに。遊んでいるわけじゃないんです。
特にうちのような小さな酒蔵は、製品出荷、配達etcも立派な蔵の仕事になります。
だから今のうちからいろいろ準備しないと間に合いません。
と、いうわけで今なにをしているかをリアルタイムで更新したいと思います。

出荷、蔵内の作業等がそんなに忙しくない日は、午後には蔵人の手が空きます。
終業までの数時間、蔵の設備補修などにあたるわけです。
で、本日の作業はこれ!!


小さな酒蔵、夏の午後。_f0141803_15154781.jpg


なんですかこれ?  そうです、柿渋です!!

ようは柿を発酵させてつくった天然の液体です。
主に防腐剤として使うんですが、釣り糸や漁網の強化材、布製品の染料としても
用いられています。酒を搾るときの酒袋にも昔は使われていたそうです。

うちの蔵では蔵内に使う木製の道具に使っています。
最近、酒造りの現場からはだいぶ木製の道具が減ってしまいました。
原材料の入手の難しさ(木ならなんでもよいというわけではありません)、
道具を作る職人さんの高齢化などいろいろ理由はありますが、
やはり木の道具は衛生面、特にカビの発生に細心の注意を払わなければ
ならないのが最大の理由のような気がします。
とにかく酒造りは水を使う現場なので。

「土佐しらぎく」でも直接お酒(醪や麹もふくめて)にふれる可能性のある道具
や器具は極力木製品を排除するようになりました。
でも使える道具は夏場にきちんと手入れして可能な限り長く使いたいと思っています。


小さな酒蔵、夏の午後。_f0141803_15335393.jpg


このように刷毛で薄くひいては乾かし、またひいては・・と重ね塗りをしていきます。
床や壁の柱などは柿渋を染込ませた雑巾を固く絞り、拭き掃除のようにして
重ね塗りをすることもあります。

小さな酒蔵、夏の午後。_f0141803_15383858.jpg


塗っては風通しのよい所で乾かし・・の繰り返しです。
暇をみつけては、今年はあと2,3回は塗りたいなと思ってます。
数年この作業を繰り返すとなんともいえぬ重厚な雰囲気が漂います。
もちろん、防腐効果もばっちりです!!!

最近はシックハウスの問題で、塗料としても再評価されてきているそうです。
DIYが趣味のかたも多いでしょうからぜひ使ってみては?
ちなみに私は市販品でなく、田舎の農家のおっちゃんの手作りを安く
わけていただいてます。なかなかいいもんですよ。

・・・ちなみに柿渋についてご存知の方は、
「お前、肝心な点にまったくふれてないよな?」と、お思いでしょう(笑)。
そうです、あえてふれてません。気になる方は是非実物を・・・。
ヒントは「作業はなるだけ入浴前に」です。


                          高知県 仙頭酒造場  仙頭 竜太
by wajowaraku | 2009-07-24 16:00
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