東北の最北端、青森市の株式会社 西田酒造店の西田です。
弊社は、東北ということで非常に皆様にご心配を頂きました。
本当にありがとうございます。
しかし、3月11日及び4月7日、さらにその近辺の余震の際は、実は関東方面よりも揺れは少なかったのです。最大の揺れで震度4程です。
ですから、揺れによる被害は全くありませんでした。酒は一升瓶1本も割れませんでした。
そして、その後の津波です。弊社のすぐ裏が海です。200m程でもう海です。しかし、下北半島と津軽半島に守られた内湾なので、水位の上昇も殆どありませんでした。
ここまでですと、まるで問題は無かったかに見えます。
しかし、停電はありました。約26時間程です。この停電が、大変な事になりました。3月11日はまだ仕込みの真っ最中でした。停電になるといろんな機器が動きません。
特に困ったのが、麹でした。麹室は、ヒーターで暖めていますが、その温度が確保できません。そこで、カセットコンロを持ち込んで中で火を焚きました。酸欠になり危険がありましたが。
そして、麹室の中は大抵の蔵は窓がありませんから、昼でも真っ暗です。その中で、切り返しの作業等を行いました。懐中電灯を何個も持ち込んで。この辺は今までに全く経験のない事でした。本当にもう手探りの状態でした。こんな状態です。
それでも何とかもちこたえ、今年の造りを終える事ができました。
大変な被災をされた蔵元に比べたら、本当にこの程度で済んだ事に感謝をしなければと肝に銘じ、今後の復興のために東北の酒を先頭に、日本酒全体を皆様に呑んで頂けるように努力致します。