今年も残すところあと10日程となり、黒龍酒造でも、冬の到来と共に大吟醸の仕込みが多くなってきました。
さて、先日NHKのスペシャル番組「和食 千年の味のミステリー」という番組がございました。料理に関わる業界の中には、ご覧になられた方も多かったのではないでしょうか?
ユネスコの無形文化遺産に「和食」が登録された事によって、今後ますます世界中で和食への注目が高まって行くと思われます。番組では、和食特有の旨みを出す調味料として、日本酒・醤油・味噌等が紹介されていましたが、これらは全て「アスペルギルス・オリゼ」という日本独自の菌を利用して出来上がったものです。
私たち酒屋もんにはなじみが深い「アスペルギルス・オリゼ」について詳しく深堀した番組内容でしたので、大変楽しく拝見させていただきました。
一麹、二酛、三造りとも言われ、酒造りの基本とされる麹造りは、まさしくこの日本独自の菌である「アスペルギルス・オリゼ」を造る仕事になります。実際は「造る」というより、「お世話をする」という言葉の方がぴったりくる仕事内容となっており、酒蔵では、寝る間も惜しんで、目に見えない微生物を愛情込めて育てて行きます。
「0杯から1杯へ」となるように、今年も良い酒を醸してまいります。
寒い酒蔵の中、麹室内は30度以上に保たれています。
深夜でも麹は活動し続けます。
出麹。3昼夜掛った麹が、いよいよ完成です。